勉強用

個人的に勉強したことをまとめます

てんかんに関して:

0.けいれん性てんかん重積状態での治療フローチャート

〇けいれん発作が5分以上持続する場合=早期てんかん重積状態

ベンゾジアゼピン系薬剤による治療でとん挫せず30分以上持続する場合=確定したてんかん重積状態

〇抗てんかん薬の点滴・静注などでとん挫せず60~120分持続する場合を難治てんかん重積状態という。

全身麻酔によっても抑制されず24h以上持続する場合を超難治性てんかん重積状態

 

早期てんかん重積状態(5分~30分)

〇血糖60mg/dL未満なら、塩酸チアミン100mg+ブドウ糖50mg 50mLを静注

ジアゼパム 5~10mg(小児なら0.3~0.5mg/kg)を5mg/分で静注。有効率は76%。2) 無効なら5~10分で追加できる。けいれん抑制効果の持続は20分といわれている。呼吸抑制に留意。

〇ライン確保困難なら、ジアゼパム注射液浣腸、ミダゾラム鼻腔・口腔内、10mg筋注(小児なら0.3mg/kg)投与。非静脈投与(口腔内投与)のミダゾラムは、ジアゼパムの静注より有効。1)

〇採血や薬物血中濃度の測定(抗てんかん薬など)

 

確定したてんかん重積状態(30分~60-120分)

〇ホスフェニトイン 22.5mg/kg(1000mg) 150mg/分以下で静注

フェニトインは緩徐に静注する必要あるが、ホスフェニトインはより短時間で投与可能、早期に有効血中濃度に到達する。また、フェニトインは強アルカリ性で血管痛や血管障害を起こすが、ホスフェニトインでは稀。有効率は44~97%。

フェノバルビタール 15~20mg/kg(1000mg) 100mg/分以下で静注

メタ解析では有効性は73.6%。ジアゼパムのあと、あるいはジアゼパム+フェニトインで発作が抑えられなければ使う。

または

ミダゾラム 0.1mg~0.3mg/kg(10mg)を1mg/分で静注。

持続静注するなら、0.05~0.4mg/kg/時=3~20mg/kg/時で静注

(小児は0.1~0.5mg/kg/時=20kgなら、2~10mg/時)

とりあえず、3mg/時から上限意識しつつ増やす。

→小児でも使えるし、ジアゼパムやフェニトインが無効でも使える。

〇レベチラセタム 1000~3000mg 2~5mg/kg/分で静注

→保険適用外。メタ解析での有効率は68.5%。

〇CT/MRI、脳波

 

難治性てんかん重積状態

ミダゾラム 持続静注するなら、0.05~0.4mg/kg/時=3~20mg/kg/時で静注(小児は0.1~0.5mg/kg/時=20kgなら、2~10mg/時)

プロポフォール 1~2mg/kg 静注(100mg)

有効なら、2~5mg/kg/時(100mg/時より)で静注

小児ではプロポ禁忌。

チオペンタール 3~5mg/kg静注(200mg)

有効であれば2~5mg/kg/時

チアミラール 3~5mg/kg静注(200mg)

有効であれば2~5mg/kg/時

〇髄液検査

 

1.急性症候性発作の原因

〇脳血管障害から7日以内に起こる発作

〇中枢神経系感染症の活動期におこる発作

〇急性自己免疫性脳炎

代謝・全身性疾患  電解質異常、低血糖、非ケトン性高血糖、尿毒症、低酸素性脳症、肝性脳症、高血圧性脳症、子癇、posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)、SLE、ミトコンドリア脳症

〇中毒 麻薬(コカイン)、処方薬(アミノフィリン、イミプラミン)、危険ドラッグ、薬剤過剰摂取、環境からの暴露(CO、鉛、有機リン)、アルコール(急性アルコール中毒など)

〇離脱 アルコールや薬剤(バルビツレートベンゾジアゼピン)の依存があり、中止後1~3日以内に起こる発作

〇頭蓋内術後

脱髄性疾患 急性散在性脳脊髄炎、多発性硬化症急性期

放射線治療

〇重複要因

 

1.てんかんの定義

〇24時間以上の間隔で生じた2回の非誘発性発作

〇1回の非誘発性発作が生じ、その後10年間にわたる発作再発率が2回の非誘発性発作後の一般的な再発リスク(60%以上)と同程度である

脳卒中後や、症状の器質的成因・てんかん様の脳波所見が認められた小児、孤発発作後に持続的な閾値変化を伴う特定のてんかん症候群と診断できる患者

てんかん症候群

のいずれか。

2.てんかん診断の問診での必要事項

2-1.患者及び発作目撃者から発作の情報を得ること

a.頻度 b.状況と誘因 c.前・発作中の症状(身体的・精神的症候及び意識障害) d.持続 e.発作に続く症状 f.外傷や咬舌、尿失禁の有無 g.発作後の頭痛と筋肉痛 h.複数回の発作があるなら初発年齢 i.発作及び発作型の変化と推移 j.最終発作 k.発作と覚醒・睡眠の関係

2-2.そのほか病歴

・発作前、発作中の詳細な状態(患者の反応、手足の動き、開閉眼、眼球偏位、発声、呼吸および脈拍)

・発作後の状態

・年齢、性別、既往歴(周産期異常、熱性けいれん、頭部外傷、精神疾患など)、併存疾患、アルコール歴・常用薬・麻薬歴の既往

2-3.てんかんを伴う主な疾患

仮死分娩、脳の形成障害、遺伝子異常、染色体異常、発達障害代謝異常、低酸素、中枢神経感染症、自己免疫性脳炎脳出血脳梗塞、脳腫瘍、脳外傷、認知症

 

 

 

 

大脳の神経細胞は、規則正しいリズムで調和を保ちながら電気的に活動しているが、それが突然崩れて過剰興奮や過同期が生じることでてんかんが起こる。

異常な電気活動に巻き込まれる脳の部位によって現れる発作症状は様々。「ひきつけ、けいれん」だけでなく「ボーっとする」「体がピクっとする」「意識を失ったまま動き回ったりする」など。

 

MRIだとASLを撮影すべき。

ASL→灌流画像を得るために動脈血中のスピンを内因性トレーサーとして利用し、組織の毛細血管レベルでの微小な血流動態を反映した画像。

 

1) McMullan J, et al. Midazolam versus diazepam for the treatment of status epilepticus inchildren and young adults: a meta-analysis. Acad Emerg Med.2010: 17(6): 575-582.

2) Leppik IE et al. Double-blind study of lorazepam and diazepam in status epilepticus. JAMA. 1983: 249(11): 1452-1454.