勉強用

個人的に勉強したことをまとめます

低K血症の鑑別

4.低K血症の鑑別

4-①まず尿中Kを測定する

①-1 尿中K<20なら

〇細胞内へのK移行 代謝性アルカローシス、「インスリン投与」、「周期性四肢麻痺」、「交感神経亢進」

〇「K摂取不足」 

〇腎以外からのKの喪失 「下痢」、「熱傷」

①-2 尿中K>20なら腎性K喪失であるので、

 

4-②血液ガスを測定する

②-1 代謝性アシドーシスであれば「尿細管性アシドーシス」

②-2 様々なpHにおいて、「ペニシリン(薬剤性)」、「Mg欠乏」、「急性尿細管壊死」は鑑別に挙がる

②-3 代謝性アルカローシスであれば、

 

4-③尿中Clを測定する

③-1 尿中Cl<20なら「嘔吐」「利尿薬投与中止後」を考慮。

③-2 尿中Cl>20で正常血圧なら「Barter症候群」「利尿薬投与後」

③-3 高血圧なら

 

4-④アルドステロン値を測定する

④-1 アルドステロン正常値~低値であれば、「ミネラルコルチコイド投与」「クッシング症候群」「Liddle症候群」

④-2 アルドステロン高値ならば、レニンを測定。レニン高値であれば「腎血管性高血圧」「レニン産生腫瘍」「悪性高血圧」、レニン低値であれば「原発性アルドステロン症」

 

 

抗NMDA受容体抗体脳炎の診断と治療について

〇若年女性に多い

〇感情障害や記憶障害、幻覚、妄想などの精神病様症状で発症

〇けいれん発作やジスキネジアなどの不随意運動、呼吸不全、自律神経症状などの多彩な症状をきたす。

〇けいれん発作が初発になることもある。

MRIで内側側頭葉や大脳皮質、小脳などにT2強調像で高信号をきたすこともある。

〇髄液検査では細胞数や蛋白の上昇を認めることもある。

〇血液や髄液検体での抗NMDA受容体抗体を含む自己抗体の測定は診断に有用だが、測定できる施設は限られる。

〇卵巣奇形腫など腫瘍が病態に関与していることがあり全身検索が推奨される。

〇腫瘍が関与していれば早期の外科的治療を考慮。

〇急性抗NMDA受容体抗体脳炎が強く疑われる場合、ステロイドパルス、免疫グロブリン大量療法、血漿交換療法、免疫抑制薬などを考慮するが、治療法の選択における質の高いエビデンスはない。

 

てんかんに関して:

0.けいれん性てんかん重積状態での治療フローチャート

〇けいれん発作が5分以上持続する場合=早期てんかん重積状態

ベンゾジアゼピン系薬剤による治療でとん挫せず30分以上持続する場合=確定したてんかん重積状態

〇抗てんかん薬の点滴・静注などでとん挫せず60~120分持続する場合を難治てんかん重積状態という。

全身麻酔によっても抑制されず24h以上持続する場合を超難治性てんかん重積状態

 

早期てんかん重積状態(5分~30分)

〇血糖60mg/dL未満なら、塩酸チアミン100mg+ブドウ糖50mg 50mLを静注

ジアゼパム 5~10mg(小児なら0.3~0.5mg/kg)を5mg/分で静注。有効率は76%。2) 無効なら5~10分で追加できる。けいれん抑制効果の持続は20分といわれている。呼吸抑制に留意。

〇ライン確保困難なら、ジアゼパム注射液浣腸、ミダゾラム鼻腔・口腔内、10mg筋注(小児なら0.3mg/kg)投与。非静脈投与(口腔内投与)のミダゾラムは、ジアゼパムの静注より有効。1)

〇採血や薬物血中濃度の測定(抗てんかん薬など)

 

確定したてんかん重積状態(30分~60-120分)

〇ホスフェニトイン 22.5mg/kg(1000mg) 150mg/分以下で静注

フェニトインは緩徐に静注する必要あるが、ホスフェニトインはより短時間で投与可能、早期に有効血中濃度に到達する。また、フェニトインは強アルカリ性で血管痛や血管障害を起こすが、ホスフェニトインでは稀。有効率は44~97%。

フェノバルビタール 15~20mg/kg(1000mg) 100mg/分以下で静注

メタ解析では有効性は73.6%。ジアゼパムのあと、あるいはジアゼパム+フェニトインで発作が抑えられなければ使う。

または

ミダゾラム 0.1mg~0.3mg/kg(10mg)を1mg/分で静注。

持続静注するなら、0.05~0.4mg/kg/時=3~20mg/kg/時で静注

(小児は0.1~0.5mg/kg/時=20kgなら、2~10mg/時)

とりあえず、3mg/時から上限意識しつつ増やす。

→小児でも使えるし、ジアゼパムやフェニトインが無効でも使える。

〇レベチラセタム 1000~3000mg 2~5mg/kg/分で静注

→保険適用外。メタ解析での有効率は68.5%。

〇CT/MRI、脳波

 

難治性てんかん重積状態

ミダゾラム 持続静注するなら、0.05~0.4mg/kg/時=3~20mg/kg/時で静注(小児は0.1~0.5mg/kg/時=20kgなら、2~10mg/時)

プロポフォール 1~2mg/kg 静注(100mg)

有効なら、2~5mg/kg/時(100mg/時より)で静注

小児ではプロポ禁忌。

チオペンタール 3~5mg/kg静注(200mg)

有効であれば2~5mg/kg/時

チアミラール 3~5mg/kg静注(200mg)

有効であれば2~5mg/kg/時

〇髄液検査

 

1.急性症候性発作の原因

〇脳血管障害から7日以内に起こる発作

〇中枢神経系感染症の活動期におこる発作

〇急性自己免疫性脳炎

代謝・全身性疾患  電解質異常、低血糖、非ケトン性高血糖、尿毒症、低酸素性脳症、肝性脳症、高血圧性脳症、子癇、posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)、SLE、ミトコンドリア脳症

〇中毒 麻薬(コカイン)、処方薬(アミノフィリン、イミプラミン)、危険ドラッグ、薬剤過剰摂取、環境からの暴露(CO、鉛、有機リン)、アルコール(急性アルコール中毒など)

〇離脱 アルコールや薬剤(バルビツレートベンゾジアゼピン)の依存があり、中止後1~3日以内に起こる発作

〇頭蓋内術後

脱髄性疾患 急性散在性脳脊髄炎、多発性硬化症急性期

放射線治療

〇重複要因

 

1.てんかんの定義

〇24時間以上の間隔で生じた2回の非誘発性発作

〇1回の非誘発性発作が生じ、その後10年間にわたる発作再発率が2回の非誘発性発作後の一般的な再発リスク(60%以上)と同程度である

脳卒中後や、症状の器質的成因・てんかん様の脳波所見が認められた小児、孤発発作後に持続的な閾値変化を伴う特定のてんかん症候群と診断できる患者

てんかん症候群

のいずれか。

2.てんかん診断の問診での必要事項

2-1.患者及び発作目撃者から発作の情報を得ること

a.頻度 b.状況と誘因 c.前・発作中の症状(身体的・精神的症候及び意識障害) d.持続 e.発作に続く症状 f.外傷や咬舌、尿失禁の有無 g.発作後の頭痛と筋肉痛 h.複数回の発作があるなら初発年齢 i.発作及び発作型の変化と推移 j.最終発作 k.発作と覚醒・睡眠の関係

2-2.そのほか病歴

・発作前、発作中の詳細な状態(患者の反応、手足の動き、開閉眼、眼球偏位、発声、呼吸および脈拍)

・発作後の状態

・年齢、性別、既往歴(周産期異常、熱性けいれん、頭部外傷、精神疾患など)、併存疾患、アルコール歴・常用薬・麻薬歴の既往

2-3.てんかんを伴う主な疾患

仮死分娩、脳の形成障害、遺伝子異常、染色体異常、発達障害代謝異常、低酸素、中枢神経感染症、自己免疫性脳炎脳出血脳梗塞、脳腫瘍、脳外傷、認知症

 

 

 

 

大脳の神経細胞は、規則正しいリズムで調和を保ちながら電気的に活動しているが、それが突然崩れて過剰興奮や過同期が生じることでてんかんが起こる。

異常な電気活動に巻き込まれる脳の部位によって現れる発作症状は様々。「ひきつけ、けいれん」だけでなく「ボーっとする」「体がピクっとする」「意識を失ったまま動き回ったりする」など。

 

MRIだとASLを撮影すべき。

ASL→灌流画像を得るために動脈血中のスピンを内因性トレーサーとして利用し、組織の毛細血管レベルでの微小な血流動態を反映した画像。

 

1) McMullan J, et al. Midazolam versus diazepam for the treatment of status epilepticus inchildren and young adults: a meta-analysis. Acad Emerg Med.2010: 17(6): 575-582.

2) Leppik IE et al. Double-blind study of lorazepam and diazepam in status epilepticus. JAMA. 1983: 249(11): 1452-1454.

ヘパリン起因性血小板減少症 (HIT: heparin-induced thrombocytopenia)

HITの原因
HIT発症の原因はヘパリン依存性の自己抗体(HIT抗体)の出現です。HIT抗体は主に血小板第4因子(PF4)とヘパリンとの複合体に対する抗体です(PF4以外にIL-8やNAP-2に対する抗体によるHITの発症例の報告もありますが稀です)。PF4あるいはヘパリンのみでは抗原性を持ちませんが、複合体を形成することによりPF4に構造変化が起き、抗原性を発揮します。この構造変化はヘパリン過剰でもPF4過剰でも起きません。

HIT発症のメカニズム
体内にヘパリンが投与されるとPF4との複合体が形成され、そのPF4に構造変化が起こります。この複合体を新生抗原と見なしてHIT抗体が産生されます。産生されたHIT抗体はPF4/ヘパリン複合体(抗原)と免疫複合体を形成します。形成された免疫複合体は血小板膜上のFcγIIA受容体に結合して血小板を活性化します。活性化された血小板からは、さらにPF4が放出されて一連の免疫反応が促進されるとともに、凝固促進因子であるマイクロパーティクルが放出されトロンビン産生が促進されます。また、この免疫複合体は単球にも作用して組織因子を発現させます。一方、内皮細胞上では、ヘパラン硫酸とPF4の複合体を抗原としてHIT抗体との免疫複合体が形成されて内皮細胞が活性化されます。活性化された内皮細胞上では組織因子が発現してトロンビンが産生されます。このようにトロンビンが過剰に産生されるのがHITの特徴で「トロンビンの嵐」とも称されています。従って、過剰に産生されたトロンビンをどのように処理するかが治療のポイントとなります。

HITの発症頻度は、ヘパリン使用患者の0.5~5%で、基礎疾患や治療法によって異なります。内科的治療よりも外科的治療で、低分子ヘパリンよりも未分画ヘパリンで(未分画で約10倍発症リスクが高い)、男性より女性で発症頻度は高く、また、投与期間の長さやBMI (body mass index) も影響すると言われています。

循環器領域:HITT(血栓症)1% 血小板減少症トータル2% ELISA陽性50%
透析導入期:HITT(血栓症)3% 血小板減少症トータル5% ELISA陽性10%
整形外科領域:HITT(血栓症)3% 血小板減少症トータル5% ELISA陽性15%
透析慢性期:HITT(血栓症)0.6% 血小板減少症トータル0.6% ELISA陽性2.3%
内科領域:HITT(血栓症)0.25% 血小板減少症トータル0.5% ELISA陽性3%

HITの発症様式には、通常発症型(typical-onset、約70%)、急性発症型 (rapid-onset、約30%)、早期発症型 (early-onset、稀)、遅延発症型(delayed-onset、稀)があります。
 通常発症型:ヘパリン投与開始後5~14日目に発症し、血小板数はヘパリン投与前の30-50%以上の減少を認め、時として深部静脈血栓心筋梗塞などの動静脈血栓症を合併します。
 急性発症型:ヘパリン投与開始後数分から24時間以内に発症し、急激な血小板減少と全身反応(戦慄、発熱、高血圧、呼吸困難、胸痛、悪心、嘔吐など)を起こします。これは以前にヘパリン治療を受けたことがあり、その時に産生されたHIT抗体が消失する前に再びヘパリンが使用されたためです。
 早期発症型(自然発症型):ヘパリン投与歴がないにもかかわらず、ヘパリン投与直後の血小板減少でHITを発症します。これは生体内に存在するヘパリン様物質(ヘパラン硫酸など)、あるいは陰性荷電をもつ微生物がPF4と複合体を形成し、これを抗原としてHIT抗体が産生されるためと考えられています。
 遅延発症型:ヘパリンを中止してしばらく(5日~数週間)してから発症します。HIT抗体価が高く重症化することも少なくありません。最近では入院日数が短縮する傾向にあり、退院後にHITを発症する場合があるので注意が必要です。

臨床診断…4T's臨床スコア→4点以上でHIT-Ⅱを疑う
 血小板数は,ヘパリン投与開始4日以内に減少することは稀で、一般に5日目以降(5~14日)に減少(ヘパリン投与前値の30~50%以上の減少)します。そして他に血小板を減少させる原因がない場合、臨床的にHITが疑われます。また、ヘパリン治療中に動静脈血栓症の新たな発生あるいは血栓の増悪がある場合には、血小板減少が上記の基準を満たしていなくてもHITとみなして対応する必要があります。
 最近迅速な臨床診断を行うためにスコアリング法の導入が試みられています.最もよく用いられているのが4T’sスコアリングシステムです。本法では、
(1)    血小板減少の程度→2点:50%以上の低下(最低値2万/μL以上、3日以内のope歴なし) 1点:30~50%の低下、最低値1~1.9万/μLかつ50%以上の低下、3日以内のope歴あり
(2)    血栓合併の有無 2点:5~10日またはヘパリン使用歴(30日以内)があり1日以内に血小板減少 1点:10日以後あるいは時期不明、またはヘパリン使用歴(31~100日)があり1日以内に血小板減少
(3)血栓、HITの皮膚症状 2点:血栓の新生、皮膚壊死、静注後の急性全身反応、副腎出血 1点:血栓の進行か再発、紅斑様の皮膚症状、血栓の疑いが濃厚
(4)他に血小板を減少させる原因 2点:他の原因なし 1点:他の原因の可能性あり

の有無の4項目をスコア化し、それらの合計点数が0~3点を低、4、5点を中、6~8点を高としてHITの可能性を3段階に分類しています。低スコアではHITである確率は0~3%とされ、ほぼHITを否定することができます。高スコアではHITである確率は80%以上とされています


血清学的診断…ELISAなど免疫学的測定法でHIT抗体価が高いほどHITらしい患者が多いことが報告されています。したがって、抗体価を詳細に検討すること、また血小板活性化能をもつIgGのみを測定することが、免疫学的測定法による診断精度をあげる方法と考えられます。
HITの治療:臨床的にHITが強く疑われた患者でのHIT治療のポイントは、① ヘパリンを直ちに中止して抗体産生を中断すること、②抗トロンビン剤により過剰に産生されたトロンビンを処理することです。
 ヘパリンを中止する場合、治療に用いられているヘパリン(低分子ヘパリンも含む)のみならず、動静脈ライン確保のための微量のヘパリン投与、ヘパリンロック、ヘパリンコーティングカテーテルなど、すべてのヘパリン使用を中止する必要があります。一方、ヘパリン中止だけでは生体内に過剰に産生されたトロンビンを処理することができず、ヘパリン中止後30日以内に約50%の患者で血栓症を合併することが報告されています。HITでは、過剰に産生されたトロンビンをいかに迅速に処理するかが治療の大きなポイントとなります。したがって,臨床的にHITが強く疑われた場合には,HIT抗体検査の結果を待つことなく、できるだけ早くヘパリン以外の抗トロンビン剤の投与を開始することが必要となります。

抗トロンビン剤:アルガトロバンの投与量
本邦では出血の副作用を避けるため米国の投与量に比べかなり低い用量(約1/3)で設定されています。HIT患者の血栓治療の場合は、0.7μg/kg/min(肝機能障害者などでは0.2μg/kg/min)で点滴静注を開始し、aPTTを指標として投与前値の1.5倍~3.0倍(ただし100秒以下)になるように投与量を調整します。また、出血のリスクのある患者では、aPTTが投与前値の1.5倍~2.0倍になるように投与量を調整します。
 HIT患者の経皮的冠インターベンション(PCI)施行時
0.1 mg/kgを静脈内投与し、6μg/kg/minを静脈内持続投与します。術後抗凝固療法の継続が必要な場合は、0.7μg/kg/minで投与し、aPTTを指標として投与量を調整します。
 HIT患者の体外循環(血液透析)時の凝固防止の場合
体外循環開始時に10 mgを回路内に投与し、開始後は維持量として25 mg/h (7μg/kg/min)で開始し、凝固時間の延長、回路内凝血(残血)、透析効率および透析終了時の止血状況などを指標に増減します(5~40 mg/h)。

 HIT既往歴のある患者へのヘパリン再使用は原則的には禁忌とされていますが、長期透析患者や人工心肺を必要とする心臓外科手術ではヘパリンの再使用が求められています。またHIT抗体は一過性の抗体でヘパリン中止後100日以内に陰性化する場合が多く、HIT抗体陰性化後にヘパリンを再投与してもHITを再燃しなかったという報告も増えてきています。
 人工心肺を用いる手術が必要となったHIT既往患者では、可能な限りHIT抗体が陰性化するまで待機し、人工心肺中はヘパリンを用いて手術を行い、離脱後はヘパリンを直ちに中止し、術後に抗凝固が必要であればアルガトロバンを投与する方法が勧められています。一方、PCIが必要となったHIT既往患者では、その後の心臓手術が必要となる可能性を考慮し、アルガトロバンで抗凝固することが勧められています。
 HIT既往患者におけるヘパリン再投与に関しては、HITを再燃したという報告もあり、今後さらなるエビデンスの集積が必要と考えられています。

ヘパリンの適正使用

ほとんどの出典:https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/19_2.187.2008.pdf

 

〇ヘパリンは,分子量3,000~35,000(平均分子量;12,000)の酸性ムコ多糖類の不均一な混成物
〇アンチトロンビンを介して抗凝固作用を示す。
〇アンチトロンビンは、トロンビン、活性化第Ⅹ因子などのセリンプロテアーゼと 1:1 の複合体を形成しそれらの作用を緩徐に阻害する。
〇ヘパリンの効能・効果として、①血栓塞栓症(静脈血栓症心筋梗塞肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症など)の治療及び予防、②播種性血管内血液凝固症(DIC;disseminated intravascular coagulation)の治療、③血液透析・人口心肺その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止、④血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止、⑤輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止が挙げられる。

〇ヘパリンの禁忌・慎重投与
①    出血している患者 : 血小板減少性紫斑病,血管障害による出血傾向,血友病その他の血液凝固異常(DIC を除く),月経期間中,手術時,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産褥婦,頭蓋内出血の疑いのある患者など[出血を助長することがあり,ときには致命的になるおそれがある]
②出血する可能性のある患者 : 内臓腫瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,亜急性細菌性心内膜炎,重症高血圧症,重症糖尿病の患者など[血管や内臓の障害箇所に出血が起こるおそれがある]
重篤な肝障害のある患者[凝固因子や AT の産生が低下していることがあるので,本剤の作用が変動(増強または減弱)するおそれがある]
重篤な腎障害のある患者[排泄が障害され,薬剤の作用が持続するおそれがある]
⑤中枢神経系の手術または外傷後日の浅い患者[出血を助長することがあり,ときには致命的になることがある]
⑥本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
⑦ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者[HITが発現しやすいと考えられる]

〇ヘパリンの投与法
静脈内点滴注射法、静脈内間歇注射法、皮下注射法、筋肉内注射法が知られ,病態に応じて選択する。
静脈内点滴注射法には,①当初から維持量(10,000~20,000 単位 / 日)を持続投与する方法②初期に急速飽和量(50 単位/kg)を投与し,その後維持量を持続投与する方法がある。
静脈内間歇注射法では1 回 5000~10000 単位のヘパリンを4~8 時間ごとに投与する。注射開始 3時間後から2~4 時間ごとに活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定し、投与前の 1.5~2.0 倍になるように投与量を調整する。
皮下注射法(皮下注射用の高濃度のヘパリンを使用)では、初回に 15000~20000 単位、続いて維持量として 1 回 10,000~15,000 単位を 1 日 2 回、12 時間間隔で投与する。手術又は心筋梗塞等に続発する静脈血栓症の予防には5,000 単位を 12 時間ごとに注射する。
筋肉内投与法は筋肉内血腫を生じることがあり避けられることが多い。
ヘパリン投与期間は病状が安定するまで比較的長期間用いられることが多かったが、早期から経口抗凝固薬に変更してもその効果に差がないこと、入院期間を短縮するという社会的ならびに経済的な背景を踏まえ投与期間は 7~10 日とし、その投与期間の後半に経口抗凝固薬を併用し以降は経口抗凝固薬単独に移行する指針も提唱されている。
ヘパリンの抗凝固効果が十分に認められず、APTT を 1.5 倍に延長するために 35,000 単位/ 日以上のヘパリンを要する病態は「ヘパリン抵抗性」として知られる。

出血性副作用はヘパリン療法の約 20%(2~30%)に認められる。出血は脳出血・消化管出血・肺出血・硬膜外血腫・後腹膜血腫・腹腔内出血・術後出血・刺入部出血など様々な出血症状が認められる。異常が認められた場合にはヘパリンを減量または中断し適切な処置を行う。急速にヘパリンの効果を抑制する必要がある場合には、プロタミン硫酸塩の静脈内投与を行う。プロタミンは,低分子量の強塩基性蛋白であり,AT・ヘパリン複合体からヘパリンを解離して,プロタミン・ヘパリン複合体を形成し,抗ヘパリン作用を発揮する。
1,000 単位のヘパリンを中和するためには,10~15 mg のプロタミンが必要とされる.
50 mg を投与総量の上限として、APTT の測定により血液凝固能の改善程度を評価しながら血圧降下やショックなどの副作用に注意して慎重に投与する。
プロタミン中和後の APTT の再延長は,「ヘパリンの反跳現象」として知られる。

USTのpeg崩壊の話(2022/05/13)を和訳した

 

USTと$LUNAに何が起こったのか?
この4日間に何が起こったかを考察する長文スレッド 
すべてはカーブでの大規模な売りから始まった。8500万ドルのUSTからUSDCへのスワップがあり、3プールがわずかにバランスを崩した。
Curveプールをバランスに戻すため、5万ETHが売られ、さらに2万ETHがBinanceに送られた。
次に、何が起こっているかという噂がTwitterで急速に広まる。
これが、アンカーでの$USTの20Bの引き出しにつながる。
今、ペグは0.987-0.995の間で動いている。
しかし、最初の防衛は成功する。しかし、ペグが完全に回復することはなかった。
続きを深堀りする前に、攻撃者が成功するための4つの要因を見てみましょう。
1) 攻撃者はGeminiから10万ドルBTCを借りた(彼らはショートしている)。
2) 攻撃者は、OTCで$1B $USTの取引を行う。
3)LFG(ルナファウンデーションガード)がペグを守るための防衛策として、3月と4月に$BTCを購入すること
4) 3プールから4プールへの切り替えの発表
さて、話を元に戻します。
LFGは新しい4プールの準備として、Curveの3プールから$150M $USTを削除しているわけですが、その後、攻撃者はOTCで買った$USTのうち$350Mを使ってCurveのプールに流出させています。
次に、Curveの流動性はゼロになりました。
ペグは0.97-0.98まで低下しています。
アンカー・デポジットは、今、本当に暴落し始めています。
噂はすぐに広まりました。
アンカー預金は最高で$14Bでしたが、文字通り1分間に$10Mずつ預金が減っていくのが見て取れたと記憶しています。完全にパニック状態でした。
ペグは0.97ドルになり、人々は怯え、その上ナスダックと株式市場は大量に下落し、$BTC価格の下落、アルトコイン価格の下落につながり、$LUNA価格は暴落しています。
しかし、攻撃は終わっていません。
攻撃者は今、$650M $USTを残しており、それをBinanceで売り始めているのです。

何が起こったと思いますか?
大規模なデペッグです。
LFGが介入し、ペグを元に戻そうと$BTCを売って$USTを買っているのです。

今、デススパイラルは勢いを増し始めている。
どのように?
-攻撃者が$USTを投棄
-LFGは$USTを買って($BTCを売って)ペグを回復させようとする。
-売り圧力が強くなり、$BTC価格が下落。
-USTがさらにペッグ解除されるため、パニックが増加する。
-アンカー預かり金が減少→取引所で必死に$USTを売ろうとする。
-これにより、$USTに新たな売り圧力がかかり、$USTのデペッグが進む。
- LUNA / $UST の仕組みへの不安から、$LUNA の価格が暴落。
(LUNAが売られる=LUNAの流通量が増える=LUNAの価格が下がる)。
-トレーダーは$LUNAをショートし始め、$LUNA価格がさらに下落、また$USTもショートする(FTXで可能)。
-そして、中央の取引所は、$USTの引き出しを禁止し始め、パニック状態になる。
-結局、LFGは、これは勝てないレースだと理解し、ペグを出血させる。昨日は$UST / $USDTは$0.23まで下がりましたが、今は$0.5前後で推移しています。

しかし、話はここで終わらない。
このような状況の中、Do Kwon氏は救済策をほのめかしている。

 

上のツイートから、救出作戦を開始するまでに約19時間かかっています(https://twitter.com/stablekwon/status/1524049689510694916)。

最初のDo Kwonのツイートの時点では、ペグはそれほど苦しんでいなかったので、これは興味深いことです。
このチャートは、私がTradingviewで作ったもので、5月10日と5月11日の2つのツイート間のペグの動きを示しています。
最初のDo Kwonのツイートの時点では、ペグはあまり影響を受けていなかったので、これは興味深いことです。
このチャートはTradingviewで作成したもので、5月10日と5月11日の2つのツイート間のペグの動きを示しています。
さて、ではその間に何が起こったのでしょうか?
誰もが救済策を待ち望み、誰が本当にこの救済策をやりたがっているのかが話題になっていました。
このとき、$LUNAの価格はほぼ24時間(5月10日)、$30-35のあたりで推移しています。
まだ希望はあった、救済計画が来ていたのだ。(詳細は私が聞いたものですが、最終的なものではないかもしれません。
- Jump、Celsius、Jane St.は既にコミット済み、Alamedaは未コミット。
- 10億ドル~15億ドルのレイズを目指している
- 1年ロックでLUNAスポットに50%ディスカウント + 1年以上毎月リニアにベスト化
- 朝の時点のコミットメント総額7億ドル)

https://twitter.com/lawmaster/status/1524098409594077185

市場はすぐに反応し、その後4時間のうちに$LUNAの価格は$15まで下がっています。
なぜ下がったのか?
IMOは、計画がしっかりしていないように見えたからです。
誰が買いたいんだ・・・。
デススパイラルの中、1年ロックで15ドル(当時は30ドルだったので50%引き)の$LUNAを買いたいと思うでしょうか?
時間は流れ、人々はまだこの計画を待っている。Do Kwon氏が救出についてツイートしてから、現在8時間。
翌朝、Do Kwonは救済策を打ち出すが、評判は芳しくない。
本当に救出計画はなかったのです。
少なくとも$LUNAticsにはありません。今の計画は、ペグを救うために$LUNAトークンをスローブリードアウトさせることだからです。
また、Do Kwonは、アルゴ・モデルから他のもの(おそらく$FRAXのようなもの)に移行することを示唆している。
LUNAの価格は、今後5時間以内に5ドルから0.80ドルまで下落します。
LUNAのハイパーインフレは、いつまで続くのだろうか?
これをチェックするのは 
0xHamz
: https://twitter.com/0xHamz/status/1524427846730539013?s=20&t=XaCbe6aG0T28EfOIT1Yx-g

つまり、これは時間がかかるかもしれない。
今、$LUNAを買うべきか?
絶対にダメだ。ペグを保存することが最優先です。LUNAの価格は希薄化する。もし買うとしたら、それは超ハイリスクだ。
LUNAのステーク報酬が22%になったと投稿している人がいるのを見ると、ひどいものだ。確かにそうなんですけどね。
でも、トークンのAPRが22%ってなんだよ さらに99%下がる可能性があるトークンに22%の金利がかかるのか?
ゼロだよ。
(スレッドはまだ終わっていません。)
Terraの次は何ですか?
それはまだ未回答のままです。しかし、ほぼ100のdAppsで構築された良いインフラがたくさんある
そもそもTerraの魅力はここにあった
きれいなUXでスムーズなシステム
そして、Terraのシステムには大量のギガブレインが存在する
もしかしたら、何かしらの再構築があるのでは?
この中で一番悲しかったのは、$LUNA-tokensをステイクして、24日間の出金期間のため、ステイクを解かない人がどれだけいたかということです。
すべてがあっという間に終わってしまいました。このような状況で、あなたはどのように反応しますか? 
大きく下落しているオンチェーン資産($LUNA)に$USTを売却して損をしますか?
それとも、大きく下落しているBinance、Kraken、Coinbaseに送りますか?
という負け惜しみでした。
そのため、多くの人はむしろ何もしないことを選択し、すべてがうまくいくことを願ったのでしょう。
何がこの攻撃を防いだのでしょうか?
もし、4プールが生きていたら、もっと大変なことになっていたでしょう。
なぜなら、4プールをクリアするだけで、3億5千万ドルではなく、30億ドルが必要になるからだ。
このタイミングは偶然ではなかった。
誰がやったのか?
現時点では、わからない。CitadelとBlackrockがこの背後にいるという大規模な噂はFUDでした。
この72時間から得られる最大の教訓は、「失敗するには大きすぎるコインはない」ということと、「自分の全資産を1つのエコシステムに置いてはいけない」ということだと思う。
AnchorとTerraで構築されたすべてのアプリ、Cosmos全体のエコシステム、ago stablesの信頼、DeFi全般の信頼、そして市場全体が(一時的に)ダウンするなど、この波及効果は非常に大きいです。

HPVワクチンの接種に関して

子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの原因であるHPVの感染は、ワクチン接種で予防できる。

 

Q1.子宮頸がんとは?

罹患年齢は25歳から。ほかのがんより若い人がかかるためマザーキラーとも呼ばれる。

ごく早期で発見できなければ、子宮摘出は避けられず妊娠はあきらめざるを得ない。

仮にがんが治って救命できても、治療の副作用で排尿・排便障害・リンパ浮腫などきたしうる。卵巣をとったら更年期症状が出る。後遺症大きい。

子宮頸がんの発症者は1年に10000人、死亡者はそのうち2900人。異常を指摘される人数はがん患者数の100倍以上。

そんな子宮頸がんのほぼ100%に高リスクHPV感染が関与。

 

Q2.HPVとは?

主に性的接触を通じて男性にも女性にも感染するウイルス。

100種類以上あり、そのうち14種類ほどが高リスクHPVとして、子宮頸がん・中咽頭がん・陰茎がん・校門がんを引き起こす。

性器にイボができる尖圭コンジローマもHPVが原因。

HPVに感染しても多くの人は無症状のままで、病気を発症することなく排除されることも多いが、一度の感染で子宮頸がんを発症する可能性もある。

 

Q3.HPVの感染経路に関して

HPVに感染している人がパートナーにうつして感染を広げる

性交渉経験のある女性の50-80%は、生涯で一度はHPV感染の機会があるといわれている。

 

Q4.ワクチン接種でどの程度予防できる?

国内で流通しているワクチン(ガーダシル4価)で、子宮頸がんの約7割を予防できる。最新の9価ワクチンでは、およそ90%の効果がある。

ガーダシル4価では、HPVの6・11・16・18型を予防できる。

一方で、ガーダシル9価では、これらに加えてHPV31・33・45・52・58型を予防できる。

ガーダシル4価→子宮頸がん(70%)+外陰部癌(70-75%)+膣癌(65%)+肛門癌(85-90%)+陰茎癌(75-80%)+咽頭癌(85%)+尖圭コンジローマ(90%)

ガーダシル9価→子宮頸がん(90%)+外陰部癌(85-90%)+膣癌(80-85%)+肛門癌(90-95%)+陰茎癌(85%)+咽頭癌(90%)+尖圭コンジローマ(90%)

 

Q5.接種間隔

ガーダシル4価、ガーダシル9価→初回接種(1回目)、初回接種から2か月後(2回目)、初回接種から6か月後(3回目)を筋肉注射。

 

Q6.感染したあとでもワクチンは有効?

HPVに感染しても自然に排除されることが多い。だが、ワクチンにより新たな感染は防がれる。ワクチンが対応しているHPVのすべての種類に感染する可能性は低く、感染歴のある人でもワクチンは有効。理想的には性交渉を経験する前に摂取するのが望ましい。

HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。

 

Q7.現在、定期接種の対象となっているサーバリックス(2価HPVワクチン)、ガーダシル(4価HPVワクチン)の接種を受けずに、シルガード9(9価HPVワクチン)が定期接種の対象になるのを待っていた方がよいでしょうか?
シルガード9は、現在定期接種の対象ワクチンではないため、公費では受けられません。
一方で、定期接種の対象であるサーバリックスやガーダシルでも、子宮頸がんに最も関与の強い型であるHPV16/18型の感染を予防できます。また、海外では、サーバリックスやガーダシルの接種が、子宮頸がんの予防に効果があったと報告されています。
HPVワクチンは、性的接触の経験前に接種することが望ましいとされており(HPVは一度でも性的接触の経験があればだれでも感染する可能性があります)、また、子宮頸がんは20代から年齢階級別罹患率が上昇するなど、若い方でも罹患し得るがんですので、シルガード9が定期接種の対象になるのを待っていただくよりも、定期接種の対象年齢(小学校6年~高校1年相当)にHPVワクチンを接種することをお勧めしています。
 
Q8.サーバリックス(2価HPVワクチン)またはガーダシル(4価HPVワクチン)を接種すると、シルガード9(9価HPVワクチン)の接種することはできませんか?
サーバリックスまたはガーダシルで規定の回数の接種が完了している場合、世界保健機関(WHO)や米国疾病予防管理センター(CDC)は、シルガード9の追加の接種を推奨していません。 これは、サーバリックスまたはガーダシルでも、子宮頸がんに最も関与の強い型であるHPV16/18型の感染予防に効果があることや、異なる種類のワクチンを接種した場合の有効性と安全性についてのデータが限られていることからです。
 
Q9.海外でのシルガード9(9価HPVワクチン)の使用状況を教えてください。
各国で使用されているHPVワクチンの種類はそれぞれ異なっていますが、9価HPVワクチンは、2014年12月に米国で最初に承認されて以降、2015年2月にカナダ、2015年6月に欧州連合EU)やオーストラリアで承認されました。9価HPV ワクチンの販売名は国によって異なるものの、海外の複数の国で使用され始めています。
 
Q10.シルガード9(9価HPVワクチン)は現在、定期接種の対象ではないということですが、自費ならば受けられますか?
シルガード9(9価HPVワクチン)は、2021年2月から日本国内で販売が開始されているため、任意接種として接種することは可能です。お近くの医療機関などにご相談下さい。ただし、予防接種法に基づく定期接種(公費での接種)の対象ではないため、接種費用は全額自己負担となります。なお、万が一健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度ではなく、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく医薬品副作用被害救済制度の対象となります。

 

【平成9年度生まれ~平成17年度生まれまでの女性の方へ】


 平成9年度~平成17年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日)の女性の中に、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方がいらっしゃいます。
 まだ接種を受けていない方に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会をご提供しています。

 

標準的なワクチン接種スケジュール
2価ワクチン(サーバリックス):中学1年生の間に、1ヵ月の間隔をおいて2回接種を行った後、1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて1回の接種を行います。
4価ワクチン(ガーダシル):中学1年生の間に、2ヵ月の間隔をおいて2回接種を行った後、1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて1回の接種を行います。

定期の予防接種は、各市町村が主体となって実施しています。お住まいの市町村における接種方法(いつ・どこで・どのように受けられるかなど)については、市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。